コミカルからシリアス、いろんなタイプのジャズロックをごった煮的に収録した逸品
これは秀逸! Frederic Schneiderというベーシストのプロジェクト。短めのジャズロック/フュージョン作品ばかり22曲が収められています。
都会的なサウンドからコミカルなもの、さらにアシッド、ワールドミュージックまで実に多彩。一言で表すなら「フランスのWEATHER REPORT」かも。なんといってもメロディがいいんだなあ。Stingと比べたくなるようなわかりやすさ。そして一度聴いたら忘れられない良さがあります。プロダクションが弱いのが残念。
冒頭からヒップホップで驚きますが、続く2曲目Gabには哀愁を帯びたサックスが。5曲目Indoludと6曲目Yahaはアフリカン・ミュージックを取り込んだ作品。陽気な歌声を縫うように行き来するベースラインが楽しい。Allan Holdsworthのようなギターとヴァイオリンをフィーチャリングした7曲目Odref、11曲目Fusion TypはBill BrufordのFeels Good To Meのような艶やかでスリリングな曲。個性的なメロディラインがいい。10曲目Carludのベース・ソロは聴きもの。13曲目D'accordはバイオリンとアコーディオンが奏でる優雅なユーロピアン・サウンド。コントラバスの柔らかな響きもいい。MINIMUM VITALのようにラテンと欧州浪漫が同居する14曲目Salifは個人的に最も好きな曲。美しいフュージョン作品です。16曲目Newbaleはアンニュイなサックスが横たわりムーディなジャズ。一転して17曲目Techno Bytは小気味良いリズムに跳ねるようなメロディがコミカル。イカしたベースラインとノリの良い曲展開。おもちゃ箱をひっくり返すような楽しさがある。20曲目GimikはCyril AchardがAllan Holdsworth風の奏法と冷ややかな打ち込みサウンドとの対比が見事。BRUFORD + Kit Watkinsか。
上記以外も良い曲ばかり。気のあう仲間とのんびりやってますって感じ。ジャズロックによくある緊張感がないのも面白い。あ、そうそう、Cyril Achardも参加しています。
BRUFORD周辺の作品が好きな人は必聴かと。