仏プログレ・フュージョンの要人のソロ 芸幅の広いフュージョン
MUSEAからリリースされたことのあるFred & Coの人です。ECLATのベーシストのソロ・プロジェクト。いかにもECLATの人らしい芸幅の広い作風。ジャズ、フュージョンからシンセのオーケストレーション、さらにはエレクトリニカやらニューエイジやら。全部ではないけど、時々かっこいい曲が。
ベーシストらしく、構成やバランスに心を砕いた演奏が多いです。シンセを重ね合わせたクラシカルな２曲目Food Prince、アコースティックの瑞々しい音が鮮烈な４曲目Medicationなどは彼の間口の広さを示しています。
打ち込みエレクトロにジャズ・ギターがうねる５曲目Sweet Linkや、Allan Holdsworth風ギターがうねりまくる９曲目Quizzlandは、ジャズ志向でプログレ・ファンにアピールしてきたECLATのメンバーらしいなと。
個人的にベスト・トラックは７曲目Pa by maです。うねるジャズ・ギターに印象的なキラキラ・シンセが絡むこじゃれたフュージョンなんですが、シンセのフレーズがプログレ。黎明期クロスオーバーの懐かしい雰囲気も同居し、実に心地よいのですよ。
フレンチらしいポップ作品
ECLATのベーシスト、フランス語のボーカル入りのポップ。いかにもフランスらしい物腰柔らかな曲想、鮮やかなトロピカル志向の演奏。休みの日に寝転がって聞いてると実に贅沢な気持ちになります。完璧なジャズ／ボーカル志向です。
まあ、プログレ皆無なんですけどね。思えばECLAT自体が、仏ジャズロックの中堅バンドでありながら作風が安定しないと言いますか・・ジャズロック以外のものを持ち込んでは聞き手を迷わせるようなところがありました。この人のせいだったか。
ニューエイジ、フレンチ・フォーク、ジャズのミクスチャー 夜の音楽
ドイツ人のような名前ですがフランスの人らしいです。何枚かアルバムが出ているので調べてみたら、なんと仏ジャズロックECLATのベースの人だった。
音のほうは、ECLATの派手派手な音とは対照的に静かでまったりしたアヴァン系。ニューエイジ、フレンチ・フォーク、ジャズをベースにやたらとゆっくり、やたらと音数が少ない深夜の音楽です。ジャズロックの喧騒はまるでなし。残響音の多い音を配置し、ゆっくりと流れるように消えていく音・・そこにパラパラとピアノが入り、朴訥なボーカルが差し挟まれる・・・最初はだるいんですが、深夜に繰り返し聞いてるとこれが滲みる、ハマる。繰り返しの多い展開なんですが、それがミニマル・ミュージックのように効いてくるんですわ。かなりのんびりした展開ですが、ジャズの気品は失わなず、どこか悲哀を感じさせる旋律が大人のポップにも聞こえ、音の少ない構成なのになかなかに多面的で侮れません。
１曲目と４曲目はディープなニューエイジ／ワールド・フュージョン、２曲目と４曲目は仏フォークとジャズをくっつけたような作風です。