元JOURNEY、元STYXなどで結成したスーパーグループBAD ENGLISHは大成功。しかその絶頂時にあるにもかかわらず、中心人物であるNeal Schonが突如として脱退。Schonが選んだのは、ＬＡの若手ミュージシャンとのバンド結成でした。それがこのHARDLINE。このボーカルが凄い。声量も声質もまるでQUEENのFreddie Mercury。演奏全体もハードで重厚。厚いコーラスや音の処理で広がり間のある世界を作り出しています。どこかグラムっぽささえ漂ってくる。そんなゴージャスなハードロック空間にNeal Schonのギターが舞う。
メロディ・ラインそのものを取り出したらおそらくJOURNEYとさほど違いは無いでしょう。ただ、バンドの作り出すあまりにも重厚な音ゆえ、アルバム中の何曲かは旧来の＜メロディック・ロック＞というジャンルからは逸脱してるような。QUEENに似ていると感じるのはこういう部分。
とは言っても、中盤以降はいかにもJOURNEY系の曲を配置してバランスをとっています。いや、後ろに行くほど郷愁度が高くなるか(笑) 聴きなれてくると人気のある若手バンド（当時の）とそう変わらないような・・ 「うーん、慣れたらなんかフツーやなあ」って感じ。意表を突くようなアイデアがもうちょとあってほしかった。JOURNEY、BAD ENGLISH同様、メロディック・ロックの抱える＜煮詰まった状況＞みたいのはそのまま引き継がれてたのが聴き取れてしまう。結局、このバンドも長続きしなかったのですが。
中心者のGioeli兄弟を中心に最近、再結成されてアルバムも発表。ギターはJosh Ramosが参加しています。