KARNATAKA

Karnataka

非凡なメロディセンスと女性ヴォーカル・・英国出身シンフォ・ポップのデビュー盤

　英国はウェールズ州出身。これがデビューアルバムです。女性ヴォーカルを中心としたシンフォ・ポップ。フォーク／トラッドの雰囲気を持ってます。伸びやかなメロディラインに、シンフォニックなシンセ、そして都会派サックスをフィーチャリング。ヴォーカルは抑え目に歌われていて、いわゆる美声系とは違いますね。２枚目The StormではIONAに近づき、そちらのファンからも支持を集めているようです。が、ここではIONAやRENAISSANCE的な要素が垣間見られる程度にとどまっています。
　分かりやすくシンプルなメロディライン。ゆったりとしたヴォーカル部分と、白熱するインスト・パートのバランスがいい。例えるならば、洗練されたSOLSTICE、超シンプルなIONAという印象。
　３曲目Crazy、６曲目There Must Be A Way、７曲目Closerに非凡なメロディセンスが感じられます。シンフォ／フォークとしてもなかなかの出来になってます。既にシンフォファンの注目も集めていて、今後に期待大。
　残念なのは音の悪いこと。自分達で録音したのかな？　音場やソロの出てくる順番など配置がチグハグに感じられるところがあります。もっと良い環境で録音すればかなりの出来になっていたのではないかな。

KARNATAKA KTK CD001 ('98)

The Storm

繊細なボーカルが作り上げるシンフォニック・ワールド

　女性ボーカルのフォーク系、RENAISSANCEやSOLTICEを連想するような物悲しいメロディ、情感豊かな泣きのギター・・特徴はこの３つでしょうか。前作で感じられたプロダクションの悪さを解消。またサックスが目立たなくなり、ロングトーンのギターが存分にうねっています。
　このボーカルの声質、ウェットな感じで声量もあまりなさそうなんですね。いわゆる素人っぽい感じ。でも、演奏と一体になると生身の女性らしさが際立って、逆に存在感を持つんですよ。面白いですね。どういう点で美声ものとは一線を画します。
　IONAと比較されることもあるようで。ジャズやフュージョンの素養も感じさせるIONAとは演奏面ではとても似ているとは思えません。ですが、なんというか、感触がどことなく似ているのですね・・・IONAとKARNATAKA、いずれも繊細で儚さを漂わせているという部分かな。とりわけKARNATAKAの場合、頼りない感じのボーカルが繊細な雰囲気を作っているのです。
　メロディはいいんですけ・・・・・・なんか地味。どれも似かよっているのも減点。１曲でいいから分かりやすく強烈に印象に残る曲があったほうがよかったな。
　聴きどころはへヴィなギターが出てきてそのミスマッチ具合が面白い２曲目Dreamer、自然派志向な楽曲にボーカルが見事にハマっている４曲目Hay、トラッド風のメロディが心地よい５曲目Love And Affection、ギターのウネリが気持ち良い６曲目I Should Have Known。メロディラインが美しい１０曲目The Storm・・・
　シンフォファン、トラッドファンに話題となった本作ですが・・個人的には・・うーん、次作に期待でしょうねえ。まだまだ平面的でメリハリが欲しい。メロディがもう少し充実したらなあ・・・この声、このギター、切ないくらいいい曲が並びそうな気がするんだけど。

Immrama KTKCD002 ('00)