古くはCYNIC、最近ではGORDIAN KNOTで傑作を残しているベーシストSean Malone。まさにプログレ界のミュージシャンズ・ミュージシャン的な存在のひとり。その彼が９６年に出していたソロ・デビュー作品です。知らないうちにリリースされ、これまた知らないうちに廃盤に。Trey Gunnが参加しています。音のほうはモダンなジャズ・ロック。前衛とメタルを足しこんだ作りです。簡単に言えば「コアなGORDAIN KNOT」あの２枚の人気アルバムから派手なギターを外したようなもの。枯れた曲調、センスのいい旋律、ミディアム・テンポ、浮遊感のあるベース・・この辺はまったく一緒。GORDIAN KNOTこそSean Maloneであることが浮き彫りになりますね。
曲によってはKING CRIMSON周辺プロジェクトを思わせる音に。これはTrey Gunnが参加しているせいですね。４曲目Hand Full of Earthなんか特に。
１曲目Controversyは、以外に正統派ジャズに近く、いかにもベーシスト名手が作ったリーダーアルバム的な楽曲です。躍動感溢れるベースラインはアルバムのハイライトのひとつ。
２曲目Splinterはその名のとおり、スピード感溢れるテンポ。その中をたゆたうように流れるベースが絶品です。
５曲目Sinfoniaはクラシックのような気品の詰まった小品です。
７曲目At TaliesinはKING CRIMSONを想起させる音。Robert FrippとAndy Summersの競演盤がありましたよね？ アレに似てます。個人的にはツボにはまってるなあｗ) Fripp翁と競演してくれませんかね。
８曲目Big Sky Wantingはエスニックなパーカッションを取り込んだ勇壮な音。GORDIAN KNOT風。
１０曲目ボーナス・トラックUnquity RoadはまるっきりGORDIAN KNOTです。雛形といってもいい。
GORDIAN KNOTほど強烈な印象は残しませんが、あの世界観はたしかに感じられます。どの曲もじんわりと浸れていいんだなあ。GORDIAN KNOTのファースト・アルバムと言ってもいい。GORDIAN KNOTのファンなら納得されること間違いなしの作品です。