マルチ・ミュージシャン二人からなるプロジェクト。CYANの在籍するF2レーベルからのリリース。キーボードにはCYAN、FYREWORKSのRob Reedが参加している。VDGG＋GENESISと例えられることが多いみたい。でも、VDGGをよく知らないんでなんとも言えへんけど。GENESISに似た部分は確かにあるなあ・・・正確に言えば本家GENESISよりもその影響下のバンドに似ている、ということだけど。しかも、この手の中では最もユニークな存在であるCLIFFHANGERが一番近い。それくらいこのTHE OTHELLO SYNDROMEにもアクの強い楽曲が揃っている。
作品の特徴は、まず、シアトリカルなこと。時にコミカルとすら感じる。自意識過剰なまでのボーカル。
次に、英国らしいヒネたポップソングの側面を持っていること。SPARKSやTHE BEATLESのようなあのヒネリね。どの曲も必ずヘンテコな展開がある。
そして、シンフォニックな断片が満載。それ風のオルガンやKING KRIMSONタイプのサックス、気品のあるアコースティック展開、郷愁を誘うメロトロン・・
面白いな、と思ったのは２曲目 Empty Heaven, Material Hell。北欧アヴァン・ジャズのようなブラスやメロトロンが入っていて、曲がどんどん変化していく。
メロトロンで始まる６曲目TVVGAIDSは、シンフォニックな雰囲気を漂わせたかと思うと、まるでオチをつけるようなコミカル展開に。途中に逆回転やそれっぽいオルガンを挟んでプログレ仕立てにしてるが、このアホさ加減が好き(笑) だいたい何なの、このタイトル？
８曲目The Watchmanは、キャッチーなサビと英国ひねくれポップの合体。ギターが結構好き。
９曲目はようやくシンフォの良さを満喫できる。オルガン、メロトロン、アコースティック・ギター、GENESIS風シンフォ展開、変拍子、ムーグ、サックス、最後はフュージョン風ギターまで登場・・・などなどFYREWORKSのようなシンフォ展開がふんだんに出てくる。
独特の味わいがある。傑作FYREWORKSを作ったRob Reedを迎えているだけあって気品ある箱庭シンフォ。さすが。そんでもって、対極にあるようなコミカル＋シアトリカルなボーカルが落差のある歌唱を乗っけている。聴いてて怒り出す人もいるかもね。
これ、中古で入手。新品、中古ともにあんまりみかけない。レーベルのページから購入可能です。
