元マグマのベーシストのソロ 重厚にして洗練されたジャズ作品
ずしんと一音一音が響く重厚なベース・サウンドが特徴のBernard Paganottiのソロ・プロジェクト。
まず豊かな音に驚かされる。太く輝きのある音色は全盛期のMAGMAとは隔世の感ありだ。プロダクションがかなりいいらしく、音が生き生きと聞こえてくる。そして、洗練された音・・技巧派ジャズの王道的な作風。
参加しているメンバーも素晴らしい演奏を聴かせてくれる。エモーショナルで華麗なピアノ、ダイナミックなパーカッション、やわらかなサックス・・そしてバンド全体が大きなウネリをつくり、目の前に広がる雄大な世界に聴き手は飲み込まれていく・・
メロディアスな作風が好きな僕としては、なんと言っても洗練された１曲目Urantiaが好き。Paganottiのゆったりとウネるベースに、軽やかなサックスや華麗なピアノが実に美しい。心が洗われるようだ。MAGMAからかなり遠い音だなあ・・と思ったらコーラスはもろMAGMA風(笑)
２曲目以降は、洗練された作風に多少足場を残しながらも、フリージャズとMAGMAの中間を行くような音に。なかでもずっしりとした音像にMAGMAに通じるようなスリリングさが加わった３曲目Caravanはクールで渋い演奏。控えめながらも、ベースの超絶フレーズがメッチャいい。盛り上がり方もMAGMA的。
他の曲も甲乙つけがたい。ジャズ技巧云々も素晴らしいとは思うが、なによりもバンド全体が作り出すウネリ感が秀逸。多少硬質な作風ではあるけど、さほど難解ではない。何度か聴きこめばその良さが伝わると思う。
ある時期入手困難だったけど再発されている。ジャズのコーナーに置かれていることも多い。