ドイツのキーボード奏者Eberhard Schoenerがリリースしたアルバムのうち、Andy SummersとStingが参加したVido MagicとFlashbackを編集したもの。その内容はシンフォニックなスペース・ロックや軽めのアヴァン・ロック。メロトロンやムーグも出てきてかなーり懐かしい音になってます。この色あせた感じがなかなかに味わい深いのですよ。
１曲目 Rhine Bow
メロトロンによるシンフォニックな広がり。その空間を浮遊するSummersのギター・・そしてそれをバックにStingが歌います。プログレ演奏にStingって・・最初は違和感を感じましが、何度か聴くうちに、Jon Andersonみたいな飛翔感を感じる歌唱に思えてきますよ。ただ、彼の声はリバーブ等の処理をかけてやったほうがもっと曲に馴染んだのではないかな。例えるならば、昔のドキュメンタリー番組のBGMに使われそうな感じ。宇宙をイメージさせるような場面で聴きたい。
２曲目 Natural High
ジャズっぽいキーボード演奏。小気味よいリズムにStingの声が絡むキャッチーなナンバー。POLICEにもありそうな雰囲気。そんなわけでStingと演奏との間には違和感まるで無し。
３曲目 Speech Behind Speech
これもメロトロンかな？ 時間の流れを極限にまで遅くした世界に、Summersのすす り泣くようなギターゆっくりと舞う。物憂げで美しいスペース・ロック。
７曲目 San Francisco Waitress
味わい深いジャズ。ウェットなメロディに、絡み付くようなサックスがいい。この頃から既にStingはジャズにぴったりだったんだなと変に納得。
８曲目 Koan
電子音楽のようなシンセをバックに、宇宙の果てまで伸びていくようなSummersのギターが作り出す巨大な空間。さらにサックスも加わり、かつてのVANGELISのような展開に。
シンセで彼が作り出す＜電子音楽＋シンフォニック＞な空間。この居心地がけっこうえー感じ。ドイツらしいスペーシィな感触がたまらん。この人のこと今まで全く知りませんでしたが、なかなかの佳作です。