言わずと知れたYESの名ドラマー。Bill Bruford脱退後、長きに渡ってChris SquireとともにYESの屋台骨を支えてきた男の唯一のソロ作品です。YES加入以前は有能なスタジオ・ミュージシャンとして数々のセッションに参加、あのJohn Lennonのバンドにも籍を置いたほどの英国ロック史の重要人物。さて、このアルバム、YES加入後の作品でありながらYES以前の彼を再現するような音楽性です。そのため多くのYESファンにはウケが良くないようです。そりゃあプログレの片鱗すらないですからねえ、無理もありません。
でも僕は好きですね、これ。ちょうど、自分の友人達とリラックスして作ったという印象です。当然のごとく非YES的だし、自らのテクニックを披瀝するような作品でもないです。YESでの高速タテノリ・ドラミングから受ける印象というか、タイトでスピーディなテクニカルドラマーというのと対局の位置にある作品なのではないかと。でも、そこが面白いですね。
音楽的にはむしろ、ヨコノリというか・・・ブルージィだったり、レゲエ のビートだったりします。そういう方面も大丈夫な人にだけお薦めします（笑）でも、曲はいいですよ。なかでもYESのビデオYESYEARSでちょっとだけ紹介されるSilly Womanが秀逸です。
それと１曲だけJon Andersonが参加しているんですが、これが牧歌調で、YESとはかなり雰囲気が異なるんですがいい曲なんです。
このアルバム、僕は学生時代三条寺町の十字屋でカットアウト盤を７００円で購入しました。安かったから買ってみたんだけど、熱中して下宿でかなり聴きましたね。思い出のアルバムです。
長い間、店頭では見かけませんでしたが、国内盤でＣＤが再発され現在も購入可能だと思います。