IONA創設メンバー２人によるニューエイジ作品。IONAのキーボードであるDave BainbridgeとIONAの元メンバーであるDavid Fitzgeraldが、David Adamの詩集にインスパイアされて作り上げた宗教色色濃いケルト作品。最盛期のWIDHAM HILL作品をよりゆっくりと展開したような、透明で写実的な作品。まるで映画音楽のよう。シンセを幾重にも重ねらて作られたシンフォニックな世界に、煌くようなピアノや、ケルトっぽい音色が疎らに響き渡る。そしてDavid Adams自身による朗読を差し挟みながら、ヒーリング性の強いストーリーがいつ果てるともなく続く。まるでスローモーションの映像を見つづけているかのような錯覚に陥る。
IONAのインスト曲に共通する部分があるけど、こちらはかなりゆったりとしている。IONAが動ならこちらは明らかに静。IONAの持つ叙情性、宗教性をさらに強めて、崇高で高邁な高みをゆっくりと昇っていくような雰囲気。よく言えばスピリチュアルな映像世界かも知れないが、変化に乏しい展開はドラマチックなIONAを聴きなれた耳に少なからず戸惑いをもたらす。身を横たえヒーリングとして聴くには最高の作品ではあると思うが。