ＧＧ プラス ＵＫ？！
元ECHOLYNのキーボードChris Buzbyを中心に結成されたデビュー作。ECHOLYNにはGENTLE GIANTをモダンにしたようなごった煮的な魅力があったんだけど、そういった資質はこのFINNEUS GAUGEにそのまま引き継がれている。ああ、この人がECHOLYNの中心者だったのね、とわかった次第。
このキーボードの人が書く、ヒネた独特のメロディ・センスが魅力。そしてGENTLE GIANTタイプの変拍子。ギタリストはHoldsworthタイプのScott McGill。この人の演奏がまた素晴らしい。そして、かつてのECHOLYNの重要な個性であった分厚いコーラスに代わって、専任の女性Voを起用。そんなわけで、まさに4人組みUK＋GGという感じです。
独特のポップセンスが加わって、おもちゃ箱をひっくりかえしたような楽しさと適度な雑然さみたいなのがある。お気に入りというほどではないけど、聴いていて飽きない。
バンドは９９年に解散。Chris BuzbyはECHOLYNを再結成、Scott McGillはソロで活躍中。
解散直前 コアでへヴぃな作風に
９９年のバンド解散後、しばらく入手が困難になっていた２枚目です。今回、ライブ音源３つを追加して再発。ようやく買えました。
ぱっと聞いた印象を言えば「・・難しい音になったな」と。演奏が複雑になってます。4人組UK＋GENTLE GIANTというのは変わりませんが、前作の「おもちゃ箱をひっくりかえしたようなポップ感覚」はかなり後退しました。
特に難解になったのはScott McGill。Allan Holdsworthばりの流れるような演奏はナリを潜め、ダークでヘヴィなギターが増えてます。いや、彼の奏法が広がったんでしょうが、GGにホールズワースが客演しているような前作が面白かっただけに、残念。その後McGillはScott McGill / Michael Manring / Vic Stevensなど、さらにコアな方向い進みますので、この時期は過渡期だったのかなと。そう考えると、バンドの結束が失われているようにも聴こえますね、このアルバム。
アルバム冒頭から冷や水浴びせたみたいにヘヴィです・・アルバムの印象を決定付ける１曲目にこういうの持ってくるとは、曲順に異議アリだなぁ・・
いや、前作に負けないようないい曲もあるのですよ。次の２曲は楽しめました。
３曲目One Inch Of The Fallは前作同様、へんてこポップ開始後１：４０のキーボード・ソロ、６分過ぎの「アヴァンなホールズワース」な演奏は面白いです。
６曲目State Of The Artは、本来しなやかなメロディをECHOLYN風の手法でずたずたに(笑) 強い風にさらされる風見鶏のように、複雑に変転し続ける楽曲が楽しい。５分過ぎに現れるギター・ソロ、それに続くキーボード・ソロは、他では聴けない強烈な個性があります。
楽曲としてのまとまりは弱いですが、テンションは高いのですよ。分裂する直前という、別の意味の緊張感を感じさせます。
アルバム発表直後、バンドは解散、３つに分裂します。Chris BuzbyはECHOLYNを再結成し元の位置に戻ります。Scott McGillソロ・プロジェクトで難解なフュージョンへ、John BuzbyはECHOLYNをわかりやすくしたようなLAND OF CHOCOLATEを結成します。