IRIS

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classification : symphonic, fusion
area : UK
related bands : MARILLION, ARRAKEEN, WISHING TREE
review :

Crossing The Desert

流麗にして深いメロディ マリリオンのメンバーを従えギターが冴える

 元ARRAKEENのギタリストSylvain GouvernaireMARILLIONPete TrewavasIan Mosleyを迎えて立ち上げたプロジェクト。プロデュースはGouvernaire自身が行っています。
 秀逸なシンフォニック・ギターを中心とした叙情的な作品。Steve RotherySteve Hackettを髣髴とさせるタイプ。哀愁を感じさせつつも力強いギター・サウンドが特徴です。この人、上手いですね。ジャズ、フュージョン、ニューエイジ的な側面も持っていて、それでいてテクニカル至上主義ではなく、あくまでメロディを聞かせようとしています。そのため、ジャズには行かずあくまでシンフォに留まっている音です。モダン・シンフォの流麗さや美しさを大切にし、そのままインスト音楽にまで昇華したような感じ。

1曲目 Idian Dream
 分厚いギターの音色が十分に堪能できるシンフォ作品。静かな、しかし雄大なウネリを持った1曲。深いなあ・・

2曲目 Train De Vie
 フュージョン作品。フランスが主流のシンフォニック・フュージョンに呼応するような1曲。スピーディで気持ちよく遊泳するようなギターが心地良いのだ。アルバム中最も動的な曲。この曲だけでもアルバムを買う価値ありです。Mosleyのドラムがこれまた凄い。彼のこういうプレイってMARILLIONでは聴けないから貴重かも。

4曲目 Tap On Top
 フュージョン的な作品。明るく伸びやかに立ち上るギター・サウンド。シンフォ版Steve Morseと言えます。

5曲目 War
 重々しく始まる冒頭から、一転して動きのある展開に。フランス系シンフォ・フュージョンっぽい音。Steve Hackettのソロ作品のような、ドラマチック且つメランコリックなギターが堪能できます。

8曲目 Ocean Song
 静的な作品。幽玄の世界と言うか、アンビエントっぽい世界にスローモーションで漂うギター。

 ARRAKEENで感じられた中途半端は一切なし。深みと重厚さが感じられるメロディックなシンフォの傑作となりました。哀愁溢れるギターの音色がいいです。この美しさはCHANCEEDHELSに共通するものを感じました。そうですね、もっと悲しげな音でしょうか。これ、一時的なプロジェクトだったようだけど、またやって欲しいなあ。

IRIS CD1 ('96)