LEGER DE MAIN

The Concept Of Our Riality

ロドガー兄弟のデビュー作　ラッシュ系プログレ・メタル

　ペンシルヴァニア出身のスリー・ピースバンド。Chiris Rodler（G,B,Keyb）、Brett Rodler（Ds）のRodler兄弟に、Melissa Blairという女性（Vo）からなります。このうち、Rodler兄弟は９７年にRH FACTORとしてもアルバムをリリースします。

　RUSHのフォロワー風。キーボード・プレイにはDREAM THEATERの影響も。分類としてはテクニカルな面を持つプログレ・メタル。メタルよりもプログレ要素のほうが凌駕しています。
　これはいいですよ。テクニカルな演奏の上に女性ヴォーカルが載るのだけど、この声、曲によってはGeddy Lee。ドラムはNeal Peartに似てるし。メロもそこそこ良い。”テクはいいけど曲がだめ”というバンドはたくさんいますが、その点、彼らはメロディは良いです。ただその垢抜けない雰囲気は欠点に感じられるかもしれません。例えて言えば８０年前後に大作主義を抜け出た直後のRUSHに似てます。洗練されてないけど凄い、みたいな。
　ただ曲構成と録音はもうちょっと整理されたほうが良いな・・と思ってたら完璧に自主録音。器材も自前で用意したらしい。

PROGRESSIVE MUSIC MANAGEMENT PMM-0100

First Second Impression

サウンドに工夫が見られる２枚目　メロディはやや難

　２枚目。メンバーチェンジはないが、キーボードやベースにゲスト参加が見られます。Rodger/HultburbergプロジェクトのKevin Hultbergがベースで参加。前作の延長上に有りながら、内向的な音に変化しています。

　変拍子多用の複雑リズム、湿っぽいシンフォニック・メタル。曲によってはアコースティック・ギターを持ってきて、女性ヴォーカルとハードな変拍子メタルが交錯する・・なるほどいろいろと音を変えてきていますね。バンドとしてのオリジナリティはかなりのものと思われます。
　前作の自宅録音みたいな感触が残っていて、整理されきれないサウンドもまあ個性の内かなと。
　Rodger/Hultberg同様、テクニックはいいんだけどメロディがねえ・・変拍子を連打するリズムの面白さを追求したり、プログレ･メタル＋女性ヴォーカルの妙など、楽しみは有るんだが曲の根幹であるメロディに魅力が少ない。スリリングさは捨て難いが、繰り返し部分が多く、時に冗長と感じてしまう。

　方法論は面白いんだけど、プロデュースを他の人に頼んだらもっと良いものになるんじゃないかなあ。RH Factorが楽しめた人にはいいかも。

PROGRESSIVE MUSIC MANAGEMENT PMM-0200 ('97)