LEGER DE MAINは素晴らしかった。女性ヴォーカルにギター、そしてドラムとベースを兼務する合計３人から成る変則的な編成のこのバンドは、自主制作でアルバムを製作しDREAM THEATERにRENESSANCEが合体したようなハイレベルの作品を提供してくれた。その音は洗練されていないものの、聴く者をぐいぐいと引っ張る圧倒的な存在感が有った。そのLEGER DE MAINのメンバーがそれ以前に活動していたのがこのプロジェクト。LEGER DE MAINのギターとドラムスに、ヴォーカル＆ベースが加わったのがこのRodger/Hultbergで、その音楽性はRUSHタイプのテクニカル・ロック。特にドラムの演奏が実に凄い。RUSHタイプのドラミングを更に発展させたような感じ。ベースも知的で聴いていて楽しいというタイプ。
ただしメロディはまだ改善の余地が有るな。典型的なアメリカっぽい旋律だが、ちょっとおざなり過ぎるんじゃないかなあ・・・演奏は魅力が有るのに、歌としての魅力が少ないというか、求心力がないというか。インストはワクワクして聴いているんだけど、歌部分ははっきり言ってどーでもいい気がする。曲によってはヴォーカルもかなり危なっかしい。
個人的に良かったのは１曲目Behold The Blue Skyと９曲目Winter In July。Behold〜はオープニングはメチャかっこいい。最初の１０秒を聴くだけで彼らの音楽性がわかるような感じ。RUSHを彷彿とさせるドラミングの後、ベースとヴォーカルが重なる。
Winter In JulyはDREAM THETER系の音で、スピード感に溢れ畳み掛けるような展開。
どうせなら、インストの比重を増せば良かったのに。RUSHが好きな人は、何曲かは結構イケるんじゃないかな。日本盤は、本編とは別ヴァージョンの２曲を含む、３曲のボーナストラック付き。