Steve HackettがGENESIS加入以前に参加していたバンド。ナレーションが随所に挿入されており、いかにもコンセプト風。たしか、人生をテーマにしたトータル作品ではなかったかな。老人の顔と胎児をあしらえたおどろおどろしいジャケットで一瞬PINK FLOYD風の音を連想したが、中身は牧歌調フォークロックだった。考えたら時期的にはそういう音で当然か。で、その音の方はバンド名のとおり、静寂とその静かな盛り上がりを感じさせる作風。アコースティック・ギターを中心に、コーラス、ストリングス、鍵盤、管楽器が挿入されてる。アートロック調と言えばいいのかな。初期の頃のMOODY BLUESやBARCLAY JAMES HARVESTを思わせる展開も。メロディはまあまあ。フォーク調だから当然なんだけど、全体的には地味な印象。
結果的には淡白で疎らな音になってはいるが、実験的な方向へ進もうと苦心する姿勢は窺える。そこはかとなく感じられるプログレッシヴな雰囲気と、やたらと古ぼけて懐かしい音色とが味わいとなっている。初期BARCLAY JAMES HARVESTからメロトロン取り除いて、フォークにしたような感じか。
ラストのコーラスなんか時代を感じさせる。ああ、いいねえ。