ステージ上のソロ･パフォーマンスにパンクを選らんだり、ロックンロールが好きでプログレはあんまり興味が無いと言ってたDerek。その彼の初ソロ作は意外にも、テクニカルなシンセを中心にしたプログレ･フュージョン作品となった。そういや、彼、Wakemanが脱退した直後のYESから後任者の一人としてリストアップされていたことは有名な話。実際オファーを受けたらしいが断ったそうだ。そんな彼がDREAM THEATER在籍時に同僚John Myungとともに参加したTy TaborのプロジェクトPLATYPUSが、プログレ的な装飾を散りばめながらも７０年代ロックの力強さを取り入れた作品だったので、こちらのソロももっとロックっぽい作品かと思っていた。参加メンバーはTony Franklin、Virgil Donatiら。
Jens Hohanssonのソロをもう少し大人しくさせたような感じかな。PLATYPUSを更にストイックにした感じともいえる。そして何曲かでは明らかに初期のUKの影が見え隠れしている。
しかし、なかなか奇抜で尖がった音ではある。どの曲もうねうねとしたシンセを主体とする、というアプローチは同じ。そんなシンセをいくつも絡み合わせ、そこに正確で且つアグレッシヴなリズム隊が緩急を自在に使い分け、曲に複雑な表情を彫り込んでいく。比較的メロディアスな曲もあるが、大半はモノトーンでストイックな印象。さらにあまり馴染みの無いコード展開の曲が多く、多少聞き込まないといけないタイプ。特にメタルファンには辛い音なんではないかな。フックが無さ過ぎるように思う。
今後はセッションとソロの両方で活動していくと思われる。クラシック、ロックンロール、パンク、そして人間的にも強烈な個性の持ち主（それが災いしての今回の解雇との噂もあるけど）。Johansson同様目が離せない存在になるだろう。
この後、プロジェクトとして新たにPLANET X名義で活動中。
ソロ名義と自身のプロジェクトPLANET Xでメタル化フュージョン突っ走るSherenian。本作のゲストはYngwie Malmsteen、Al Di Meola、Jerry Goodman、Billy Sheehan、Tony Franklin、Simon Phillips、Zakk Wylde、Steve Lukather。
技巧派フュージョンにメタリックなギターやネオクラシカルな走法も取り入れたものです。プログレ要素もありますが、そっちは期待するほどでもないかな。ドラムにおなじみVergil Donati、ベースはTony Franklinが参加。ギターにはZakk WyldeとBrett Garsed、メタル的なバカテク・フュージョンを心得た人をざっと集めたという感じです。このメンツの各ソロに共通する音ですね。