メロディカル＆テクニカルな佳作フュージョン リラックスしてどうぞ
GONGZILLAなどBon Lozaga作品に参加してきたテクニカル系ドラマーのリーダー作品。メロディのはっきりしたフュージョン作品となっています。テクニカルではあるんだけどあまりドラマーとしてのエゴを出さず、あくまで曲の完成度を中心にしています。そのため、後期GONGやGONGZILLAが志向する技巧路線とは違う音です。目くるめくテクニカル展開を期待したけどちょっと違いますね。むしろ優美なサックスを主体にした曲展開がメイン。PRISMとBRUFORDをつなぐ線上に位置する音楽性です。粋なピアノソロやファンキーなメロディが加わり、日本人向けのフュージョン作品になってます。
そんななかでも、サックスを中心にしたゆったりとした展開にテクニカルなドラムが絡む３曲目Conscious,Conscience、BRUFORDっぽい４曲目Peaceful Anxietyはテクニカルなフュージョンを好む人向け。カリカリとした緊張感は無いけど、楽にさらっと聴けるところがいいかも。
テクニカルでクレイジー・・だけどクール 大人のジャズロック
前作Where To NowがBRUFORDに似た、言わば正統派ジャズロックに近かったのに対し、こちらはかなりヒネた作風になってます。GONGZILLAやBON同様、テクニカルでクレイジー。それもクールなクレイジーさと言えばいいのかなあ・・・白熱しないテクニカルさなんですよ。大人のジャズロックと言いますか、夜っぽい音と言いますか。さすが大人のジャズロックのLOLOレーベルらしい音です。Percy Jones参加。
フレーズは印象的なものが多く、聴いていて脳に刷り込まれていく感じ。いい出来です。
キーボード／ピアノが主体になる曲が多いです。あとはドラムでしょうか。ドラムは音の抜けがいいですね。音色にすごく気を使っているのがわかります。
９曲収録されてますが、１から６曲目、それと８曲目が素晴らしいです。曲は多少複雑ですが聞き込めば味が出る曲がいい。
GONGZILLAやプログレ・フュージョン、ジャズロックが好きな人にはオススメです。
テクニカル＆メロディック そしてクールな作風
素晴らしい！ BRUFORDをクールダウンしたような音です。テクニカル。そして時折見せる冷ややかさがいいですね。今までよりもさらに落ち着いて深みのある音になりました。
ベースにMichael ManringとPercy Jones、ピアノはDemetrious Pappas、ギターはAlex Domschotです。
１曲目 Peace
冷やぁとした音が流れ込みます。厚くどんよりと垂れ込める雲のようなサウンド。ドラムだけが風のように複雑なリズムを刻んでいきます。
２曲目 If People Could Talk
アルバム代表曲です。手前にピアノ、奥まったところに激しいギターを配置するというのが面白い。広がり感のある音は独特です。１分１５秒過ぎからの展開が素晴らしい。冒頭と中盤以降のピアノが気品あるプレイ。
３曲目 Circle
大陸的なたおやかなサウンド。伸びの良いサックスがいいですね。
４曲目 Run If You Must
都会派＋技巧派。めまぐるしいサックスのプレイには息を呑みます。しかも上品。
６曲目 The Beginning
１曲目の冷ややかさと３曲目の大陸サウンドが合体したようなもの。
テクニカル＆メロディックだけではありません。もう、それだけでは満足できないもんね。作風はクールで大らか。大人のプログレ・フュージョンです。ヘヴィーローテーションになりました。他の作品同様、こちらも大推薦です。