ニューエイジにも似た、エモーショナルなジャズロック作品 捨て曲なし！
LOLOレーベルの中心人物、ギタリストのBon Loganzaと鍵盤奏者Jim Loretangeliのプロジェクト。テクニカルでスリリングなジャズロック志向のGONGZILLAやBONと異なり、落ち着いて優美な作品集。Loganzaのほかの作品同様、秀逸なメロディと複雑な展開が融合したジャズロックに、今回はニューエイジ的な志向性を内包した作品に仕上がっている。ニューエイジの優雅さと思索性が作品に深みを与えている。
どの曲もパーカッションやサックスが入っていて、バンド的な音になっているが、あくまでこの二人が中心。
はっきり言ってトラックも素晴らしい出来。哀愁、郷愁、静寂・・・やや憂いを帯びた楽曲群・・・・楽曲のひねり具合といい、適度なウネリ感といい、そして琴線に触れるメロディライン、実に絶妙のバランスなのだ。そして、情感豊かで分かりやすい旋律を使いながらも、この気品の高さもどうだろう。PRIVATE MUSIC時代のAndy Summersにちょっと似ているかも知れない。エモーショナルなジャズロックが好きな皆さん、これ傑作ですよ。
Loganzaって、自己のレーベルを立ち上げたことで、かなり余裕を持ちながら様々な作風に取り組んでいるようだ。やりたいことがたくさんあるのだろうが、その才能には驚くばかり。このレーベルいくつか作品が出ているけどどうやらどれも要チェックのようだ。
大人のジャズロック 夜の深みへ滑り込んでいくよう
夜の深みへと沈んでいく手触りがなんともたまらない。ウェットで落ち着いた演奏、眠けを誘うような安堵に満ちた歌唱。「緊張感」や「白熱」とは対極にある「憂い」と「しなやかさ」をフィーチャリングした大人のジャズロック。
憂いと優しさに満ちた２曲目Mercy Street。女性のバックボーカルがスローなファンクになっていて、これまた良い。力強いリズムとシリアスなサックスが特徴の４曲目Your Mind、ウェットなボーカルがかわるがわる出てくる６曲目Perfection、７曲目Retributionもいいなあ。
深夜、暗い部屋に静かに流したい。その演奏に包まれ漂いたいって感じですかね。疲れた心と身体をクールダウン。