MAGMA関連のソロ作はみんな正統的なジャズに向かうものなのか。ベースにJean-Paul Celea、ドラムはFrancois Laizeau、トランペットにEric Lelannが参加したこのアルバム、最初から最後まで正統派にしてスリリングなジャズ作品です。１曲目のThe Thingの冒頭を聞くだけで、アルバム全ての雰囲気がそこに凝縮されていると言ってもいいですね。メロディックな旋律、メリハリの利いた演奏、ゴージャス、そしてスピード感・・・・このかっこ良さ。Lockwoodのピアノ以上に、Eric Lelannの輝きあるトランペットが素晴らしいです。多くの曲ではLockwoodはトランペットの後ろに回っています。リズム隊もいい。起伏に富んでいて、徹頭徹尾ドラマチックに曲を盛り上げてくれています。
個人的に気に好きなのは１曲目The Thing、２曲目Manaus、５曲目Mahalia ・・いずれも、身体が動き出すようなノリの良い曲ばかり。これらは繰り返し聴きたいくらい大好きです。他にピアノソロが２曲、ラウンジで聞くような洗練されたスローな曲が３曲収められています。
テクニカル偏重ではなく、あくまで曲そのものを聴かせることに力点をおいた作品かと。ジャズロックではありませんジャズそのものです。