若きドナティのフュージョン・バンド音源が復刻 テクニカルでメロディアス！
PLANET XやON THE VIRGのフュージョン・グループ、さらにはメタル、ハードロックでも活躍中の技巧派ドラマーVirgil Donati。その彼が地元オーストラリアで若いときに組んでいたフュージョン・バンドがこれ。８０年のライブ音源で、どうやら作品はこれだけのようだ。
ギター、キーボード、ベースを加えた４人構成。キーボードのJoe Chindamoは現在はジャズ・ピアノ・トリオでレコードも出しており、オーストラリアのジャズ界では知る人ぞ知る存在。澤野商会でディストリビュートされているので、日本でもファンがいる。
これがなかなかの出来。キレとメリハリがある演奏と、流れるようなメロディが合体したフュージョン。変拍子もバンバン出てくるし、今のDonatiが録音したと言ってもおかしくないくらいよく出来てる。THE DREGSからアメリカ臭(笑)を消してソリッドにしたような感じ・・と言えばどんなかわかりますよね？ METRO、JAZZSICKなんかにも近いな。
ギターは時にSteve Morseタイプ、またMike Sternを連想させるところも。キーボードはジャズ・フレーバーを漂わせながら、鋭く切り込んでくる。突出した曲はないけど、印象的なフレーズ満載の７曲目In A Spaceを聴けばこのバンドの良さが最も分かります。
テクニカルでメロディアス。私のこのサイトでまさに探している作風ですね。ほんと、いい演奏ですよ。観客も楽しんでるのがよく分かるし。
今回の再リリースで、ブックレットの付いたデジパック仕様になっています。オーストラリア・フュージョンの源流とも言うべき作品（みたいなことがブックレットには書いてある）としての重要度がわかると言うものです。ブックレットにはメンバー全員のインタビューも収録。さながら、青春の思い出って感じです。ELECTROMAGNETS（若き日のEric Johnsonのバンド）に似た構図がここでも見られます。DonatiとJoe Chindamoのファンはマスト・アイテムですね。