ウィンダム・ヒルとECMを行き来するような作風
ギターにAlex SkolnickとSteve Morse、ドラムにSteve SmithとTim Alexander(PRIMUS)が参加。個性的なベースを中心に一風変わったフュージョンが展開される。Alex SkolnickとTim Alexanderとのコラボレーションは後にプロジェクトATTENTION DEFICIENTへと発展する。
アヴァンな作品への参加が多いため「変態ベーシスト」などと呼ばれているようだが、本作は聴きやすさを考慮して作られている。そのため、アヴァンな作風と聴きやすいフレーズ／展開がうまくマッチングしていて、彼の個性がわかりやすく出ている好盤だ。ニューエイジ作品も収められている。
１曲目Big Fungusは鬼気迫るベースがここ数年のCRIMSON系プロジェクトを思わせる。
３曲目Monkey Businessmanはベースソロでありながら、和音の中にオクターブ奏法をうまく織り交ぜて、ベースをまるでフォークギターのように操っている。恐ろしい。おかげで重厚だけど軽やかさのある小品に仕上がっている。
５曲目On a Day of Many Angelsは低音から高音までを伸びやかに奏でるベースとピアノが織り成す気品溢れる１曲。
６曲目My Three Moonsはベースソロによるニューエイジ作品。こういうのありそうでなかったな。
１０曲目You Offered Only ParabolasはAlex Skolnickだろうか伸びやかなギターが印象的なフュージョン作品。
１１曲目The Enormous Roomはオクターブ奏法による優美なベースソロ。
Steve Morseも作品を出したことのあるWINDHAM HILL傘下のHIGH STREET（フュージョン寄りインスト・ロックを出すレーベル）からリリースされた。WINDHAM HILLECMとECMの間を行くような作風。
ATTENTION DEFICITやScott McGillらとの共演で知られるベーシストのソロ作品。ベース以外はパーカッションの音が聞こえてくる程度のシンプルな構成。曲によってはサックスやシンセも。ギターのような音も聞こえてくるけど、高い音域の弦をメロディ用に張っているようです。
音楽性は・・・うーん、アヴァンなインストというか、レコメン寄りニューエイジというか・・ とにかく、陰りのあるメロディをなぞりながら存在感のあるベースが粛々と続く。Robert Frippの影響が強いみたいですね。FrippがAndy Summersと組んだ作品に近い。あれをベース一人でひたすらやってるような感じです。