Bill Brufordとの幅広い活動のおかげで、コアなジャズ・ファンだけでなくKING CRIMSONのファンや技巧派プログレが好きな人に知られるようになったDavid Torn。本作は彼がECMでリリースした作品。ちなみにECMでは２枚のソロ作品を残しています。なんとこの作品、Bill BrufordとTony Levinがリズム隊、トランペットにMark Ishamが参加しているぞー BRUFORD LEVIN UPPER EXTREMITIESを遡ること１０年以上も前にこんな作品があったのね。ECMレーベルということもあってか、Tornの趣味全開の作品です・・と言えばだいたいどんな感じかわかるよね？ 言ってみればBRUFORD LEVIN UPPER EXTREMITIESのスペース感覚やMark Ishamの冷ややかさが合体したような音。Tornらしい、ウネりながら伸びやかなギターはいつもと同じ。
聴きやすい曲からコアなタイプまでを収録。ECMらしい配分ですな。Torn参加作品のなかではPOLYTOWNからエスニック色を抜いて少し分かり安くしたような感じ。
エスニック調で始まり、Tornらしいギターが満喫できる１曲目Suyafhu Skin ... Snapping The Hollow Reedがいい。また、アルバム中もっとも分かりやすい２曲目The Mercury GridはTornがBRUFORDに加入してたらこんな感じになってたかな、という印象。Ishamも前面に出てかっこいい大人のフュージョン作品に仕上がっている。エスニックなビートに乗せて淡々と展開する前半とIsham主導で動的な展開の後半からなる３曲目3 Minutes Of Pure Entertainment ・・でもTornは最初から最後までウネるギターを弾きまくる(笑)
分かりやすい曲を最初に持ってきて、あとはコアな色彩のジャズ／フュージョンに。さほど難解な展開はないので、さらっと聴ける。BRUFORD LEVIN UPPER EXTREMITIESの１枚目が好きな人にお勧めいたします。