Patrick Moraz がパンパイプ奏者のSyrinxと競演した作品。Syrinx氏のプロフィールは今となってはよくわからないんですが。８０年の発表ですから、Morazがカリズマ・レーベルから３枚目ソロPatrick Morazをリリースする前後になるはずです。そのためか、作風としてはラテン色が強くMorazソロの初期３部作、とりわけモダンで聴きやすかった３枚目Patrick Morazの延長上と言ってもいいくらい。Morazはシンセを多く弾いてますね。
１曲目Mind Your BodyはMoraz３枚目のソロそのまんまですね。ラテンを強く打ち出したパーカッシヴな曲です。弾むような曲調が嬉しくなります。
２曲目Boonoonoonoosは激しいMorazと明るい旋律を飄々と吹くSyrinxが交互にリードを取ります。二人の個性の違いがよくわかります。
３曲目SoundriseはSyrinxの明るく朗らかな旋律が響きます。青空の下で聞きたい曲です。
４曲目Adagio For A Hostageの切ない旋律は聴きモノです。琴線メロに美しい旋律。
５曲目Freedom To...はおおらかでのびやか。やがて終盤で感動的な局面を迎えます。Syrinx渾身の演奏です。
６曲目以降は組曲です。Morazがエレクトリックな世界を作り上げ、その上をSyrinxが可憐なパンパイプで遊泳するような感じ。
実は私、これ２６年ぶりに聴きました。結論・・いいですね。Morazの初期ソロが好きな人ならオススメです。Morazのいつもの痛快ソロはありませんが、ここぞと言うソロはすべてSyrinxに任せているのでしょう。