Bill Bruford's EARTHWORKS

classification : jazz rock, fusion
area : UK
related bands : BRUFORD LEVIN UPPER EXTREMITIES, Moraz Bruford, BRUFORD, Bill Bruford and Michael Borstlap, YES, KING CRIMSON, UK
review :
　YES, KING CRIMSON以降、Brufordサウンドを携えてスーパー・バンドを渡り歩いたBill Brufordが、一番やりたかったジャズをやるために若手を集めてバンドを結成。彼らしい派手なプレイはあまりなく、ジャズ･バンドの一員として黙々とドラムを叩いている。まるで憑き物が落ちたかのような、渋い演奏（笑）

A Part, and yet apart

ブルフォードらしい複雑なリズムに横たわる極上のジャズ

　EARTHWORKSは全部で４枚出ているらしいけど、今回初めて聴いた。ジャズロックというよりまるっきりジャズ作品。いつもよりやや手数を控えているがそれも本格的なジャズ作品として曲に合わせたためだろう。他のメンバーもどういう略歴の人かはあんまり知らないけど、みんな実に上手い。
　みなテクニカルな奏者だけどこれ見よがしな演奏はない。バトル的なもの一切無くて、ありがちな長いドラムソロなんてものもない。それでも素晴らしいだなー　かつてPatric Morazとのコラボレーションによるジャズ作品が２枚あったけど、１枚目Music For Piano And Dramsの生ドラム生ピアノだけの作品・・・あれを彷彿とさせる。あのアルバム、１曲目以外はインプロ中心に作り上げた作品だったけど、こっちはメロディの起承転結がはっきりしている。つまり本作って、Moraz & Brufordをバンド構成にしてどの曲もちょっと分かり易くしましたという感じ。極上のテクニカルジャズ。Brufordらしい複雑なリズム構成に、流麗なサックスとピアノが絡むさまがめちゃカッコイイのー　テクニカルであり、ゴージャスでもあり。アヴァン色全くなし。ジャズ・ロックじゃないもんね。実に洗練されているという印象。あー　気持ちいいー
　個人的にはBrufordらしい拍子が堪能できる１曲目、小気味スピード感が魅力の３曲目、派手なパーカッションで始まり、アーバン＆スリリングな展開がカッコイイ４曲目あたりが好きです。

PONY CANYON INC PCCY-01381 ('99)

Dig?

１曲目 "Stromboli Kicks"
　ファンキー＆ゴージャス。だけど、一筋縄ではいｘかない流麗なメロディセンス。どこかで聴いたことのあるような親しみを感じさせながらも、玄人好みの展開でどんどんソリッドな楽曲に変化していく。CMに使われそうな曲。

２曲目 "Gentle Persuation"
　一度聴いたら確実に耳に残りそうな、耳触りの良いサックス。もっともポップな楽曲。

４曲目 "Pilgrim's Way"
　ジャズというより、ニューエイジ的な音。ギタープレイはAndy Summersのように、ちょっとアヴァンでウネウネとした音。

６曲目 "A Stone's Throw"
　ジャズ・ロックファンにオススメの、ジャズ／フュージョン展開。エスニックな要素が中盤以降に活躍するピアノが凄く良い。明るいノリのよさがあり、ゴージャズなフィーリングあり、ソロのフィーチャリングも有り、ジャズロックのファンが喜びそうな展開も。

７曲目 "Libreville"
　６曲目に引き続き、高品位ジャズでありながらテクニカルな作品。テクニカルなんだけど、それが表から見えにくいところが、いいなあ。表はあくまでオーソドックスなジャズ／フュージョン･スタイル。だけどよく聴き込むとプログレ･ファンお好みの展開・・・満足です。