９０年代末に三度復活 クリムゾン解釈でメタル・シーンとプログレ界を刷新した傑作
ファンの批判を覚悟で言わせてもらえば、プログレ・メタルのファンである僕にとって最も先鋭的でかっこよいプログレ・メタルはクリムゾンだ。８０年代のDiscipline三部作を思い出して欲しい。あれらこそ、前衛的でヘヴィなギター、ポリリズムを駆使した複雑なリズム構成、思索性・・今のプログレ・メタルバンドが標榜するあるべき姿を具備していたように思えてならない。Three Of A Perfect PairのＡ面のかっこよさといったら・・実際いくつかのメタルバンドにはクリムゾン風の展開を含むものがある。あの３作品があったからこそ現在のプログレメタル興隆があるように思えてならない。だから敢えて、プログレメタルの側から聴いてみた。
１曲目Prozakic Bluesこそヌーヴォー・メタルの最たる音。歪んだボーカル、アグレッシブなリズム、知性を感じさせる展開・・若手のメタルからこういうバンドが出ないかな。
２曲目The ConstruKction of Lightは８０年代のクリムゾンを強く思い起こさせる音。
４曲目Into The Flying PanはTHE BEATLESのようなメロディライン。Rainをクリムゾンを演奏したような感じ。
５曲目FraKcturedも８０年代クリムゾンを推し進めたような音に。
７曲目Lark's Tongues In Aspic PartIVというわけで、クリムゾンの歴史に生きるスキルたる「太陽と旋律」シリーズ続編がめでたく収録された。すなわち、このアルバムが同パート３を収録していた傑作アルバムThree Of A Perfect Pairと繋がるのである。そして同時に、彼らの長ぁいバンドヒストリーにおいて、このアルバムの重要度がぐぐっと増すのである。んー なんか感慨深い。この曲そのものにはあまり思い入れないけどね(笑)
スピーディな展開こそないが、最後まで緊張感と展開の面白さが継続する。何度聴いてもだ。それまでに聴いたこともない手法がぎっしり・・若いバンドにはこれを振り出しにいろんな音を派生させてもらいところだけど。