北欧のＡＯＲハードのドンTommy DenanderがキーボードプレイヤーRickey B Delinと組んだメロディック・ハードのプロジェクトの第１作。キーボード以外のほとんどのパートをDenanderが手がけています。その分、彼のほかのプロジェクトと比べるとイマイチ音の広がりに欠けるかな？ ですが、エモーショナルなメロディ、身体が動き出すような演奏、適度にメリハリと緊張感を感じさせる構成はやはりプロの仕事。
どの曲も良く出来ている。なかでも、泣きのギターが素晴らしい琴線バラードの４曲目One Way、ラウドなギターが活躍する緊張感のあるハードなインストの１２曲目Woke Up Deadは特筆モノ。他にも２曲目JasmineはTOTOタイプ、５曲目Return My HeartはBOSTON系のアメリカン・バンド風、１０曲目You Drive Me CrazyはFOREIGNERタイプでこれまた素晴らしい出来。また、７曲目One Step CloserはSmokey Robinsonを髣髴とさせるアダルト・コンテンポラリー風、さらに９曲目Standing On The Outsideは後期DOOBIE BROTHERS風・・・と、ファンキーな作風で、８０年代に青春を送ったものにとってはまさに至福のようなアルバムです。ＬＡのミュージシャンを起用したDenanderの最近のプロジェクトであるRadioactiveほどの派手さは無いが、かなり楽しめる作品であることは間違い無し。