TOTOやTUBESなどＬＡ周辺のＡＯＲサウンドが再来です。北欧出身のマルチ・ミュージシャンTommy Denanderのプロジェクト。メンバーが凄い。新旧TOTOのメンバー（Porcaro３兄弟、David Paich,David Hungate,Bobby Kimball,Fergie Frederiksen）を中心に、関連するLA周辺のメンバーが参加。また、アメリカからメロディックの流れを受け継ぎ、有望なバンドを次々と輩出し進展著しい北欧からの参加もあったりして、実に興味深い。曲もTOTO関連だからもちろん一流のメロディ。ハズレはありませんで〜
１曲目 The Story Of Love
TOTOのPorcaro３兄弟（つまりJeff Porcaro生前の頃の音源なのだ）にDavid Paichというゴージャスなメンバーに、PRISONERのヴォーカルGeir Ronningが参加。このRonningの骨太で粘っこいヴォーカルが強烈な存在感があって、ともするとTOTOそのものになりそうな楽曲を、パワフルでウェットなＡＯＲハードに仕上げている。それでもインストの盛り上がり方はまるっきりTOTO(笑) TOTO＋SURVIVORみたいな感じ。
２曲目 Crimes Of Passion
TOTOの初代ヴォーカリストであるBobby Kimballになんと同じく３代目のヴォーカリストJoseph Williams、そしてCHICAGOのJason Scheffが参加している！
３曲目 On My Own
TOTOの２代目ヴォーカリストだったFergie Frederiksenが、スリリングなギターサウンドの上を、ハイトーン・ヴォーカルを駆使して歌い上げている様にはただただ感動。まるで急流くだりのように楽曲が進む。
４曲目 Grace
なんとまー このキーボードはDavid Fosterですってよ、奥様。TOTOの未発表作品にも聴こえますわね。
５曲目 Waiting For Miracle
おお、これなんかまるっきりTOTOやんか！ 冒頭のつかみといい、ファンキーな盛り上がり方といい、さびのフレーズなんか、TOTO（もしくはそのまねっこバンド(笑)）ですやーん で、ヴォーカルが、Jason ScheffとAlex Ligertwoodの掛け合いで進むんだけど、これがまた素晴らしい。いやー 聴いていて力が入るんだなあ。もう一回聴こっと。
６曲目 LA Movies
ヴォーカルはJoseph Williams。おしゃれな哀愁系ＡＯＲには彼の声はホントによく合う。しかし、今まで何してたんだ？
８曲目 Liquid
Jeff Porcaroのキーボードトラックを中心に、他メンバーのソロが次々とフィーチャリングされていくセッション風インスト。ファンクを主体としたパーカッシヴな曲に、次々とパッションに満ち溢れた演奏が炸裂していく様は痛快。
９曲目 Haunt Me Tonight
哀愁溢れる楽曲にTommy Denanderのギターがいいソロを弾いているのだ・・泣けるのだ・・ なんとRichard Marxの曲。
１０曲目 A Case Of Right Or Wrong
ああ、かっこえーぞっ スリリングでスピーディでシンプルなハードロック。
１１曲目 Silent Cries
Jim Jidhedのヴォーカル。まるでFrederiksen在籍時のTOTOのようなスリリングなメロディック・ハード。こういうのが聴きたかったんよ〜 うれしい〜 かっこいい〜
１３曲目 Remember My Concious
日本盤のボーナストラックだが、これもいいぞっ なんとHOUSE OF SHAKIRAのヴォーカルが歌っているぞ。歌もギターも言葉が出ないくらい素晴らしい。まるで天を突き抜けるような、そしてどこまでもまっすぐな、明るさと力強さに思わず涙してしまった。
何度聴いてもいいです。めっちゃえー。メロディック・ハード、プログレ・ハード、産業ロックファン、８０年代ヒットチャートマニアそして全てのハードロックファンにオススメやっ これは買いやでぇ〜
それにしても、放射能を意味するこのプロジェクト名。ポピュラー史に輝かしい栄光を刻みながらも、時の流れに呑み込まれてしまったメロディック・ハード・・・しかしその力は半減期にも至っておらず実は未だ強烈な光を放っていた。どんな壁もすり抜けて輝く放射能のように・・・・・・こんな感じかなあって、ネーミングにこめられた意味を勝手に邪推してみました。
しかし、こうも考えられへんかな・・・まだMTVなんか無くて、人々は皆ラジオから流れくる音楽に身を任して暮らしていて、その頃、Radioはメロディック・ハードをがんがんActiveに流していたわけ・・そんな時代に畏敬の念をこめているのかな、とかね。
TOTO新旧メンバーを中心に北欧の名だたるメロディック・ハード関連人物を呼びこんでリリースした前作に続くTommy Denanderの２作目。音的には前作を踏襲するつくりだけど、ちょっとシンプルになったような。音の志向性としてはＡＯＲな雰囲気は後退し、９０年代のメロディック・ハード／メロディックメタル寄りの音に変化。ちょうどTOTO＋FOREIGNERという感じ。