このバンドはJon AndersonがYES以前に参加していたバンド。クラブを回ってスタンダード・ナンバーを中心に演奏するという、いわゆる下積み時代にあたる。ちなみにバンドとしてのオフィシャルなリリースはシングルが２枚程度だったと記憶している。Anderson以外のメンバーは、ドラムスは後にKING CRIMSONに参加するIan Wallace、ベースはYES関連バンドであるBADGER（Tony Kayeが参加）やYESメンバーのソロと関わっていくDavid Foster・・とまあ英国プログレ・ファンには重要なバンドなんである。また、今回の音源には入ってないけど、キーボードのBrian Chattonは後にNICEのメンバーとJackson Heightsを結成、その後はスタジオ・ミュージシャンとして英国の数多くのミュージシャンと交流し、テレビ音楽でも活躍。また、自身もBoys Don't Cryを全米で大ヒットさせたこともあるそれなりの大物。最近はJon AndersonやTony Kayeとアルバムを製作してる。
本作はクラブでの演奏を集めたブートレグ。これはクラブ出演時のライブ音源。スタンダードナンバーばかりを演奏しているようだ。そのいくつかは誰もが聴いたことがある６０年代のＲ＆Ｂ。ちょうどTHE BEATLESがドイツに残した下済み時代の音源とそっくり。演奏も録音もそのまんまなのだ。
録音がかなりヨレているせいもあるんだろうけど、ボーカル（Jonの兄Tony Andersonのボーカルがメイン）は声量に欠けてるし、Jonも希代のボーカリストとしてのカリスマ性はまるでなし。演奏もTHE BEATLESのクラブ音源をさらに悪くしたようなもので、あまり面白くはなかったですね・・・まあ、本人たちにとっては青春の一ページってやつか。
ちなみにこれ、ブートレグ。最近になって同じ音源を元に正規盤がVoiceprintからリリースされました（ジャケ写真はVoiceprint盤）。